苦手教科

苦手教科を克服するには?

苦手教科を克服するための、効果的な方法を解説します。
理系は得意だけど、文系は苦手だという人もいれば、その反対という人もいるでしょう。論理的な思考は得意だけれど、暗記科目はどうも苦手だ、という人もいるかもしれません。あるいは体育や面接が、どうも苦手だという人もいることでしょう。ネットではランキングまであるくらいですから、多くの人が抱えている悩みといえそうです。

 

いつもオール5で、すべての教科が好きという人は少ないものです。そういう人は「勉強自体が好き」という人が多いものです。しかし、多くの人は勉強が苦痛と感じるものですから、どうしても苦手教科が出てきてしまいます。それでは苦手科目を克服するには、どうしたらいいのでしょうか?

 

大学センター試験や大学独自の試験において、自分で受験科目を選択できる場合は、苦手科目を外すこともアリだと思います。たとえばラテックスアレルギーを持っている人は、無理してゴム製品に触れないでしょう。遠ざけるはずです。しかし、こちらに選択権がない場合、たとえば仕事で、どうしてもゴム手袋をしなければならない場合、何とかして慣れようとするでしょう。それと同じことで、避けれるなら避けるようにします。

 

ここでは避けるという選択肢ではなく、苦手教科を克服する方法という観点から考えていきたいと思います。苦手科目をなくす方法としては、つぎのように2方向からのアプローチが考えられます。

 

  • とりあえず苦手教科を置いておいて、得意科目を頑張る
  • できるだけ苦手教科に接するように心がける

 

この2つは、いっけん矛盾しているように見えるかもしれませんが、そうではありません。順次説明していきます。

苦手教科には目をつぶり、得意科目を伸ばす

苦手教科の克服法として、あえてそれには目をつぶり、得意科目のほうだけに注目していくという手法があります。短所をカバーしようとするよりも、長所に磨きをかけていくことで、おのずと短所が克服されていきます。これは心理学で「特恵効果」とか、「学習の転移」という概念で説明することができます。

 

特恵効果は教育心理学の言葉で、苦手科目には目をつぶって、得意科目にだけ力を注いでいくと、いつのまにか苦手科目が克服されているという心理効果です。中学や高校、大学では、いろいろな教科があります。数学、英語、国語(現代文、漢文、古文)、理科(物理、化学、生物)、社会科(地理、日本史、世界史、公民、倫理)などなど。

 

いっけん表面的には異なるように見えても、その根底においては、論理的な思考展開などが共通していたりするものです。また勉強を進めていく方法や、予習・復習の方法においても、記憶法においても、共通する部分があります。そのため、ひとつの科目に精通するということは、ほかの科目の「エッセンス」を習得することにつながるわけですね。

 

この考え方は、いろいろな科目のあいだで言えることですが、同じひとつの教科のなかでも言えることです。たとえば歴史でいうと、平安時代を理解することによって、鎌倉時代や江戸時代が理解しやすくなるようなものです。もちろん歴史の流れということもあるでしょうが、一つの時代を制覇すると、「効果的な歴史の勉強法」をマスターできるので、ほかの時代の学習にも通じていくわけですね。

 

まずは得意科目の軸をつくろう!

このような心理効果はスポーツでもいえます。オールマイティに広く浅くでは、どうしても伸びに限界がくるものです。ですから東大、京大、慶大、早大、上智、同志社、関学、一橋などの有名難関大学に合格しようと思うなら、できるだけ早い時期(高1など)に、得意科目を作ってしまうことが先決です。たとえば数学や英語は積み重ねの学問なので、このどちらかを早いうちから得意にしてしまう戦略がおすすめです。広く浅く勉強しようとすると、「勉強の軸」ができないために、どうしても行き詰まりがちになります。

 

得意科目は、全体の成績を上げる「幹」です。苦手教科をも引っ張り上げる「吸引力」をもっています。
受験勉強法において、どんなスランプのときでも決してゆるがない「軸」をもっているようなものです。
また、ピラミッドにおける「土台」のようなものともいえます。

 

ふだんの勉強のスケジュールにおいても、かならず得意科目から入るようにします。
そうすることでエンジンがかかってきて、脳が喜びます。その反対に、苦手教科を克服しなければ!と焦るあまり、そこから開始するような計画にしてしまうと、勉強自体が嫌いになってしまいかねません。ゲームで遊んでからとか、漫画を1巻読んでからとか、いろいろな理由をつけて勉強を後回しにしがちになります。勉強は得意科目から・・・これは鉄則です。

 

また中間テストや期末テスト、あるいは模擬試験(模試)、実際の本番の試験においても、まずは解けそうな問題から解いていく・・・これも鉄則です。最初から律儀に順番を守って解いていこうとすると、苦手な問題で予想以上に時間をとってしまい、本来解けるはずだった問題にまで手が回らなくなります。そこで、難しそうだな...とか苦手だな...と感じたら、それは後回しにします。

 

このようにして、試験では得意な問題、簡単な問題から取り組んでいくことによって、脳にエンジンがかかってきます。得意な問題から解いていくのですから、脳が喜びます。すると海馬からシータ波が発生してきて、集中力や思考力、判断力などが高まり、苦手な問題を解ける確率がアップするわけです。

 

苦手教科はとりあえず無視して、得意科目を徹底的に強化することによって、かえって苦手がなくなる・・・この心理効果は、実際の試験においても通用するわけですね。

同時に苦手教科を克服していく

とはいっても受験勉強の期間は限られています。
得意科目だけを伸ばすだけでも、ある程度は苦手教科にも好影響が及びますが、そんなにのんきなことを言っていられないかもしれません。

 

その場合は得意科目を伸ばしつつ、苦手科目にも積極的に接近していく戦略を取る必要があります。人は苦手意識が芽生えると、その対象から、しぜんに遠ざかっていきます。苦手な人には、近づきたくないというのが人情です。

 

しかし遠ざかれば、ますます苦手になります。内面の感情のコントロールはむずかしいとしても、外面だけでも整えることによって、内面をある程度まではコントロールできるものです。苦手だなと思う人であっても、毎日学校で顔を合わせていれば、親近感が出てくるものです。これは単純接触効果とかザイオン効果と呼ばれています。

 

人は、その対象に接する回数が多いほど好感をもつものです。
最初は好きではなかったのに、何度もアタックされて恋愛に発展したなんて話もよく聞きます。テレビ広告のCMでも、何回も同じ製品をアピールしていると、それだけ視聴者の目に多く触れることになるので、製品にたいする高感度がアップするものです。

 

このようなザイオン効果を受験勉強法に利用すれば、苦手教科の克服に役立ちます。
苦手科目だからといって遠ざけていては、ますますその教科が嫌いになるだけです。そうではなく、できるだけ接近する機会を設けることが大事です。

 

たとえば、いつでも目に見える場所に教科書を置いておき、パッと手に取ってペラペラとページをめくってみる。そのためだけの時間を取るのがいやなら、テレビのコマーシャルの間だけでも、ぺらぺらめくってみる。そのようにして、できるだけ苦手教科のテキストに「触れる回数」を、1日のなかで増やしてみるわけです。

 

そうしているうちに、その教科書にたいして親近感がわいてきます。中を見てみようかな、という気になってきたら、まずは文字を読まずに、参考書の図やイラストだけを見てみる。さらに勉強したくなってきたら、適当なページを開いて数行だけ読んでみる。「あれ、意外に面白いじゃん!」という気持ちになったら、最初から順序よく学んでいけばいいのです。

 

このように苦手教科の克服方法は、得意科目をさらに伸ばしつつも、同時に、できるだけ苦手科目との接触回数を増やし、そして段階をふんで学習に入っていくことに尽きるのです。

 


 

 

■あっという間に、英単語や歴史の年号を記憶する方法とは?
>> 記憶術日本一の藤本憲幸氏による記憶術 <<