復習 タイミング

復習のタイミングによって記憶力に差が出る

復習のタイミングは、まさに受験勉強法の極意です。
一度、教科書や受験参考書を読んだだけだったり、一度、センター試験や赤本の過去問を解いただけでは、すぐに忘れてしまいます。人間は、非常に忘れやすい生き物だからです。

 

エビングハウスの忘却曲線によれば、24時間以内に忘却は急速に進んでいきます。なんと、たった1日で、覚えたことの74%を忘れてしまうというのです。もちろん、実験においては、無味乾燥な数字の羅列などを使用していたので、これがそのまま、「理解をともなった学習」に当てはまると考えるのは早計かもしれません。

 

しかし自分の好きな教科ならいざ知らず、苦手な科目の勉強となると、どうしても無味乾燥にならざるをえません。覚えたと思っても、そのあと忘却は急速に進み、20分後には42%、つまり半分近くを忘れてしまいます。そして1時間後には、もっと進んで、56%も忘れています。英単語とその意味を、単語カードを使って覚えたつもりになっても、1時間もしたら、半分以上を忘れていると思った方がいいわけですね。

 

そこで復習のタイミングといったものが必要になります。
忘却を防ぐ効果的な方法は、反復であることを、みなさんは長い間の経験によってご存じでしょう。ただ、どのタイミングで復習したらいいのか?それを知りたいのだと思います。

勉強の直後に、学んだことを反芻してみる

復習のタイミングは、あまり早すぎても効果が薄れてしまいます。
たとえば英単語を覚えてから、10分後とか15分後とかに復習することは得策ではありません。ある程度、時間を置くことが必要といえます。記憶は寝かせているあいだに、脳内で整理が進んでいくからです。

 

たとえば1時間勉強したとして、その内容を記憶に定着させるには、勉強後に、軽くでいいので学んだことを頭の中で反芻してみます。たったこれだけのことで、記憶の定着度が違ってきます。学校や予備校の授業のあと、休み時間にでも「頭のなかで」反芻するだけでいいのです。

 

ただ、私の考えとしては、1日以内が復習のタイミングの許容範囲だと思っています。
1日で74%も忘れますが、その後は1週間後まで、ほとんど記憶量に差がないからです。ということは24時間以内に、忘却に歯止め(ストッパー)をかけておけば、1週間後も、高いレベルで記憶を維持できるのです。

 

勉強した直後は、軽く頭のなかで反芻するにとどめますが、これは応急処置です。別にやらないといけない、というわけではありません。本格的な復習のタイミングは、1時間後が理想です。そのときに、しっかりと反復学習をします。でも、それが無理なら、その日のうちであれば、2時間後でも、3時間後でも、7時間後でも大差はないように思います。

 

要は、その日のうちに(寝る前までに)、その日学んだことを繰り返す。これこそが、復習のタイミングとして大事なポイントになります。

翌日にも復習をしよう

受験勉強においては、復習をしないと成績や偏差値はアップしていきません。
学習とは、しょせんは積み重ねなので、前に学んだことがあいまいだと、新しいことが理解できないからです。偏差値が60とか70という人、模試の難関校で、A判定とかB判定が出る人は、基本からしっかりと積み重ねています。そのため、結果として、目に見える形で現れるわけですね。

 

つまり以前に勉強したことが長期記憶として、しっかりと脳に定着しているので、新しいことがスムーズに理解でき、記憶できるのです。

 

受験勉強法といっても、新しいことを次から次へと学ぶだけではだめです。それでは、どんどん忘却していってしまいます。1日のなかに、「復習の時間」を必ず設けることがポイントになります。

 

復習のタイミングとしては、前述したように、まずは「その日のうち」が鉄則です。でも、その復習は、1日以内の急速な忘却に歯止めをかけることが目的です。いくら、24時間以内に復習をしたからといっても、「忘却曲線」ですから、忘却は緩やかになったとはいっても進んでいきます。なので、さらに忘却の度合いを弱めるべく、翌日にも復習をする必要があるのです。

1週間後にも復習。その後も・・・

ここまでで合計、3回の学習を立て続けに行なったことになります。
2日以内に3回学べば、とりあえずは1週間は、記憶力を維持することができます。ただし、その間も、「忘却曲線」ですから、ゆるやかではあっても忘却は進行します。ですから1度目の学習から数えて1週間後に、もう一度復習をしましょう。これで4度目の学習です。

 

あとは、徐々に復習のタイミング・間隔を広げていくことがコツです。
1週間後に反復をしたら、つぎは1か月後、そのあとは3か月後、半年後というように。そのくらいまでいけば、短期記憶は長期記憶として、確実に定着します。あとは、身についた基礎力を応用して、どんどん過去問(入試問題)に取り組み、実践力を付けていけばいいのです。

 

暗記は徹底的に繰り返すことでしか、脳に刻まれません。
印象的な風景とか出来事、面白いこと、目立つこと、イメージを利用した記憶、ごろ合わせなどは、その瞬間に脳内に鮮烈に刻まれるので、反復が必要ないこともあります。しかし、無味乾燥な受験勉強や資格試験の学習においては、そういったことを利用できるのは稀です。

 

イメージを利用した右脳勉強法や、扁桃体を利用した感情移入の学習は、活用できるなら活用しましょう。しかし、そういったことはめったにないので、勉強は復習こそが王道となるのです。

 


 

 

■あっという間に、英単語や歴史の年号を記憶する方法とは?
>> 記憶術日本一の藤本憲幸氏による記憶術 <<

後記

記憶の復習の間隔は、徐々に広げていくことがコツです。もっとも気を付けるべきは24時間以内の復習と翌日の復習であり、そこさえクリアできれば、あとは1週間後で大丈夫です。そうではなく毎日のように復習をするのは、ある意味、やりすぎといえます。それこそ要領の悪い勉強法となります。復習のタイミングは間隔を空けることが必要です。休んでいるあいだに、記憶は海馬において整理されていくからです。これは筋トレにも似ていますね。むやみやたらに毎日、激しい筋トレをすれば筋肉がつくかというと、そんなことはないでしょう。本格的に筋肉をつけようとするなら、48時間ほどの休息が必要といわれています。休んでいるときに、断裂した筋繊維が修復されて太くなっていくからです。記憶も、休ませる期間をもうけたほうが、長期記憶になりやすいのです。復習のやりすぎは、時間のむだですし、かえって忘れてしまいかねません。単純な刺激を何度も与えていると、脳は反応しなくなります。
復習にもいろいろあります。英語の復習、そのほか数学 、社会科(日本史、世界史、地理、公民、倫理、政治・経済)、理科(物理、化学、生物、地学)、数学(T、U、簿記・会計、微分積分、二次関数など)など、いろいろな科目において復習が必要です。小学校よりも中学、中学よりも高校となるにつれて、より難解になるので、復習をしっかりしないと置いて行かれることに・・・。
予習・復習ということが学習の基本とされますが、予習をしっかりしてから授業を受ければ、よりいっそう記憶が定着します。この場合は授業自体が、ある程度、復習の役割を果たすので、ほかの人よりも一歩先に進むことになります。
復習ノートというものは、あえて作る必要はないかと思います。復習は基本的に、「読み」で十分です。もちろん英単語の暗記や漢字の書き取りなどもあるので、この限りではありませんが・・・。言語関連は、書くことによる反復が必要であっても、復習したことをノートにまとめる必要はないと思うのです。ざっとテキストや虎の巻を読み返すだけで十分です。
復習計画というと、テキストの読み返しや、単語を何度も書いて覚えるということだけに目が向きがちです。しかし中間テストや期末テスト、あるいは代ゼミや駿台、河合塾、進研などの模擬試験(模試)をやったあとに、間違えた箇所を復習することがとても大切になります。テキストを読んでいるだけでは、「間違える」という体験はできません。しかし模試や過去問であれば、「間違える」という経験ができます。間違えたということは、それは覚えるチャンスなのです。何かを間違えたとき、脳は、次こそは間違えないようにしよう!として、記憶力を最大限に高めます。覚えるチャンスなのです。同じ問題でつまづかなくなるチャンスといえます。そういったときは、復習の回数が少なくても、扁桃体が関与するため、記憶に定着されやすくなります。
そのほか学年が切り替わるタイミングで、その学年で学んだことを総復習することも、意味があります。つまり、あらゆるタイミングや区切りを利用して、復習の機会を設けるのです。あまりに短い間で繰り返すと、かえって記憶の干渉が起きますが、長い期間をおいて、何度も復習することは、より強固な長期記憶の形成につながります。

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